告 (アメリカへの渡航) 

2月24日(火)・・・渡航前日

病室にて、

主治医でアメリカまで同行する医師から

渡航時(移動時)に使用する人工補助心臓についての説明を受ける。

  

その後、

航空機等での長時間の移動やアリカの移植システム、

海外へ渡航には高いリスクを伴うなどの説明を受け、

人に最終の意思確認が行なわれました。 

また別室で、

翌日のタイムスケジュールや注意事項などの説明、

機内及び米国への持込機材、医薬品の内容と申請関係などの確認、

移動中(特に航空機内の気圧の変化)に危惧されることへの対処方法などの

確認作業が行なわれました。 

この日も、高校時代の同級生が2名、地元関係者など数名が見舞いに訪れ、

本人は口数も多く、表情も顔色も良く元気に振舞っていましたた。

 

2月25日(水)・・・渡航当日(前日からの続くあいにくに雨模様の日)   

 5時過ぎ

   朝食、着替えを行い、病院内で使用していた補助人工心臓から、

   移動用小型心臓に、切り替え処置が行なわれた。   

 6時20分

   病院正面に救急車が到着、

   移動時の医薬品、医療機器等の搭載作業が開始さされた。  

 6時40分

   本人がストレッチャーで玄関に現われ、

   集まった、病院関係者や親戚、友人らに励まされ救急車に乗車

 6時50分

    国立循環器病センターから、大阪伊丹空港に向けて出発していきました。 

     

  8時56分 

   大阪伊丹空港は大変な雨 ・・・ 定刻より30分遅れて伊丹空港を離陸・・成田へ 

 10時15分 

   無事、成田に到着・・・空港内を救急車で移動し国際線ターミナルへ

     (成田での乗継は、ニューヨークへの直行便が成田発しかないため) 

11時30分 成田空港からニューヨークへ 

  

2月26日(木) 

 0時53分 NYジョンFケネディ空港に着いたとの連絡がはいる。

    (現地時間:25日10時53分) 

                

        JFK〜コロンビア大へ向う救急車の中で(主治医撮影) 

 家族は今後1週間は、病院内の宿泊施設に滞在することに・・・ 

 

月28日(土) 同行した医師からの報告・・大阪:国立循環器病センター 

 渡航にあたって最も危惧されていた、

 航空機内の気圧の変動に伴う血圧のコントロールについても、

 離着陸時には一時血流が0になる程であったが、10数分で回復した。 

 本人が水分の摂取を我慢するなどしたことや、

 早朝からの緊張からくる疲れがでたのか、良く眠っていたこと、

 国循の医療チームの連携により(人工心臓の圧力調整やミリ単位の水分調整など)ほぼ、

 想定していたとおりの移動が出来たとのことでした。 

 また、機内では、病院食ばかり食ていたこともあり、

 出された機内食を「美味しい、美味しい」と喜んで食べるなど、

 本人も良い状態での渡航であったそうです。 

 

 コロンビア大の病院に到着後は、

 同病院の各担当医師が順に病室を訪れ質問責めに合い

 特に通訳を介しての会話と、次々と訪れる各担当医師から何度も同じことを尋ねられ、 

 少々 閉口ぎみであったが、ナースは明るく、気さくであり

 「私が英語を教えるから、帰国までに本語を私に教えなさい」と励された。  

 アメリカで移植を受ける場合には、

 日本での登録の有無にかかわらず、渡航後、全員が

 アメリカでの移植登録のための検査を受け、登録審査を経て、

 登録されれば以降、リハビリ等をしながら移植を待つことになる。 

 同行した主治医の先生の話によれば、

 コロンビア大学の医療スタッフが

 「大丈夫。私たちに任せなさい」と語ったことからも、

 日本から移植を受ける青年が来たとの

 病院側の認識が強く感じられたとのことでした。 

 

 2月25日(水)早朝からの渡米に同行していただき、

 27日(木)の夜には、帰国というハードスケジュールにもかかわらず、

 その翌日には渡米時のお話を聞かせて頂くなど、

 国立循環器病センターの医療スタッフの皆様の、

 ご尽力とお心遣いに、心から感謝いたしております

 

2月27日(金)NY 

 渡米後1週間は、同行家族も同じ病院内の施設に宿泊し付添っていたが、

 28日からは夜間は、家族の付き添いもない病院生活に入った。 

 アメリカでは、移植に対して身体的な条件のほか、メンタルな部分も重視するらしく、

 不安な部分も多々あるが、精神的な自立を図るため、

 病院側から付添いの時間を減らすように指示されたようだ。 

 お母さんやお姉さんも、

 言葉も通じない慣れない土地で、心身共に大変疲れてが、

 現地ランティアの方の協力で、

 翌日から銀行口座の開設やアパートの確認、契約に奔走している。

 

 

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